May 12 ME/CFS & Lyme Japan

 1992年以来、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)様病態で約50年近くをほぼ寝たきりの状態で過ごした看護の母、フローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなんで、5月12日がME/CFS世界啓発デーになりました。

 

その後、線維筋痛症、化学物質過敏症、慢性ライム病(ライム病は5月2日です!)などが同日、または、その前後に啓発されるようになりました。

 

5月12日が、政府、医療福祉関係者、社会への病気の啓発、医療福祉の充実、研究促進を訴えるだけでなく、普段、闘病しておられる患者さんたちを励ます日でもあり、患者を介護する方々への感謝の意を表する日でもあったらいいなあと思っています。

これまでの活動

2006年より、オーストラリアにて、代表マーク雅子の筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)闘病・啓発ブログを開始。

 

2012年、日本に移住後、任意ボランティア団体「まーくハウス&ぷろじぇくと」を設立。

 

そのボランティア活動の一つとして、”May 12 ME/CFS Japan”を発足し、「5月12日筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)世界啓発デー」運動を開始しました。

 

イギリスMEドキュメンタリー映画「闇からの声なき声」の製作者側との交渉の末、日本語翻訳の許可を受け、日本におけるDVD販売と上映会用DVD貸し出しを開始。

 

売り上げは、全額イギリス制作者側より、スタンフォード大学Dr.MontoyaチームなどのME/CFS研究機関に寄付されました。

 

 

 

国会議員・政府関係者、医師会や保健所、社会福祉協議会、

 

障害福祉課などの医療福祉関係者への啓発用DVDの寄贈に加えて、

 

日本でも、5月12日世界啓発デーを促進させるため、啓発グッズを製作し、

 

日本のME/CFS研究者、各患者会、個人啓発家に寄贈させていただきました。

 

 

 

2013年、関西CFS協力会(旧)主催、まーくハウス&ぷろじぇくと 後援で、

 

「5月12日ME/CFS世界啓発デーイベント」を開催し、

 

「闇からの声なき声」無料上映会を行いました。

 

その後、NPO筋痛性脳脊髄炎の会、(現)CFS支援ネットワーク、

 

”笑顔の花びら集めたい”などの各患者会主催によって全国15か所での上映会が行われました。

 

(上映会を開催してくださった各患者会様に、心より感謝申し上げます!)

 

 

 

2014年、世界の患者会と歩調を合わせて、

 

May 12.org企画によるLight Up the Challengeに参加し、

 

Mark Houseを啓発カラーのブルーにライトアップ。

 

代表マーク雅子の最も醜い症状悪化時の姿を撮影し、

 

見えない障害を見える形にして、啓発動画、励まし動画を制作し、

 

世界に向けて配信しました。

 

 

また、毎年、NPO筋痛性脳脊髄炎の会署名運動に協力させていただくと共に、

 

患者たちや家族を代弁してくださっている全国の患者会や医療講演会への

 

寄付協力をさせていただいています。

 

 

朝日新聞、東京新聞、神戸新聞などの各メディア取材のほか、

 

NHK「忘れられた病 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の現実」の取材協力、

 

NPO筋痛性脳脊髄炎の会「この手に希望を」取材協力など、

 

様々な啓発の機会をいただきました。

 

 

その後、オーストラリアに一時戻った際に、

 

20年以上、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)とされてきた病態が、

 

ダニ媒介性疾患「慢性ライム病と共感染症」であることが判明しました。

 

(厳密には、慢性ライム病、脳脊髄液減少症、眼瞼痙攣という3つの難病であることがわかりました。)

 

 

ライム病には、「偉大な模倣者」というあだ名があり、

 

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群や線維筋痛症、多発性硬化症、ALS、鬱病、

 

自閉症、アルツハイマーなど多くの他の疾患と誤診されることが多いことから、

 

すでにME/CFSと診断されている方々への啓発もかねて、

 

May 12 ME/CFS & Lyme Japanと改名しました。

 

同時に、ライム病、慢性ライム病、治療後ライム病症候群に特化したページ”Lyme Connection Japan”を開設しました。

 

 

 

2018年、#Millions Missing世界ME(筋痛性脳脊髄炎)啓発キャンペーンに日本の啓発団体として登録。

 

共同代表の天野友里子とその仲間たちを中心に、JR大井町駅”品川区立総合区民会館 ”きゅりあん”にて、5月世界啓発デーイベントを開催しました。

 

「闇からの声なき声」上映会、「rTMSと慢性疲労症候群」医療講演会、

 

「香害」市民講座を開催し、品川ケーブルテレビでは、

 

2週間にわたってその模様が放送されました。

 

 

翌年、2019年5月5日には、”ひとりじゃないよ!”を合言葉に、

 

「見えない障害:ME/CFS・FM・MCS・Chronic Lyme5月世界啓発フェス」を

 

開催しました。

 

 

 

同イベントは、#MillionsMissing2019正式登録イベントとして、

 

133名の参加者を迎え、筋痛性脳脊髄炎ドキュメンタリー映画「Unrest 不安と

 

共に生きる」無料上映会のほか、

 

ミニコンサート、医療講演会、患者家族によるお話、

 

啓発ブースなどが開催されました。

 

 

 

ライム病・治療後ライム病・慢性ライム病

最新の慢性ライム病ドキュメンタリー映画The Quiet Epidemicのウェブサイトから視聴可能です。(Amazon Prime、Apple TV、Vemeo)

 

www.thequietepidemic.com

ジャスティン・ビーバーやアヴリル・ラビィーンが罹患したことで一時的にメディアに取り上げられ、「ライム病」という病名を知った方も大勢おられると思います。

最近では、EXILEのATSUSHIさんがライム病を告白しました。

 

医療界で知られている「急性ライム病」と「治療後ライム病症候群」「慢性ライム病」には大きな違いがあります。

 

ダニ媒介性疾患ライム病(ボレリア)と共感染症(バベシア、バルトネラ、アナプラズマ、エーリキアなど)は、一般の医療界では短期抗生物質で比較的簡単に治癒する病気と認識されています。

 

ところが、マダニ、または、その他の感染経路により感染をし、短期抗生物質による治療後も、10-20%の患者で、慢性的な症状が継続する患者がおられます。「治療後ライム病症候群」と呼ばれています。

 

 

ライム病をきっかけに免疫が暴走することにより、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群と類似の病態に陥っていることが考えられているようです。

 

また、ライム病が未診断のまま進行し、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群、線維筋痛症、多発性硬化症、ALSなどの神経系疾患や

 

うつ病、自閉症スペクトラム、統合失調症などの精神疾患などに誤診されている可能性もあります。

 

これを海外のライム病専門医(LLMD)や患者会は、「慢性ライム病(Chronic Lyme)」と呼んでいますが、

 

世界でも、日本でもまだ一般の医療界には認知されておらず、

 

治療をすれば、軽快化、回復する患者も、医療や社会から置き去りになっています。

 

日本では、過去にマダニに咬まれた覚えがある、ないに関わらず、ライム病の検査を要請しても検査に回してもらえることはまずありません。

 

しかも、アメリカCDC基準の検査では陰性でも、海外に出す自費の高額なライム病と共感染症PCR検査や抗体検査では陽性であるケースが後を絶ちません。

 

海外の病気というイメージが強いようですが、海外帰国者の患者だけでなく、日本で感染し、慢性的な原因不明の全身性症状や精神症状に悩まされていても検査、診察ができる医師がほぼいないのが現状です。

ME/CFSドキュメンタリー「闇からの声なき声」

当団体が翻訳、日本語版DVD製作に携わった筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群啓発映画です。イギリスにおけるME/CFS患者の重症患者の実態を追ったドキュメンタリーです。

筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)は、「労作後の不調」(労作後の全身性労作不全)を特徴とする多系統慢性疾患(WHO国際疾病分類では神経系疾患)です。

 

労作後の不調とは、PEM、または、クラッシュと呼ばれ、体を使う活動、頭を使う作業の後、激しい消耗、衰弱、症状の悪化を引きおこし、何日も、何週間も、身動きの取れないほどの症状に苦しむ全身性労作不全のことです。睡眠や休息で回復する一般的な疲労とは異質のものです。

 

免疫障害、神経機能障害、認知機能障害、睡眠障害、自律神経障害を含み、その他の症状に、広範囲の筋肉痛・関節痛、咽頭痛、リンパ節圧痛、頭痛などがあります。  

 

厚生労働省調査では、患者数約10万人と推定され、患者の3割が寝たきりか、容易に家からでられません。

 

成人患者の0~6%しか発症前の身体機能を取り戻すことができません。

 

病態は不明で、有効な治療法もありませんが、最新の研究では、脳の炎症、免疫異常が報告されています。

 
運動失調、歩行障害、起立不耐性(立位や座位を持続できない)などの症状を持つ患者もおり、重症患者は、自宅療養、寝たきりや経管栄養、車椅子やストレッチャーでの生活を強いられていますが、この病気を診断、治療できる医療機関が不足しており、十分な社会福祉制度も整っていません。